今日は写真がないので、俳句でも載せます。

【告知】10月29日、RICOHリングキューブにて、タカザワケンジさん @kenkenT と、トークセッションをやります。19時半〜です。テーマは私が集めている小さいカメラとか、GRDへの思い入れなどだとおもいます http://bit.ly/9qUjIj お暇ならぜひ。

<日々忌 50句>
秋・
冷蔵庫の光ひとすじ夜食かな
木犀のにほひ逃れるところなし
凶作を報せてビット列光る
女郎花触れば欲しくなる病
九段下駅出てつるべおとしかな
初嵐受話器の奥でもの爆ぜる
父の瞳の色うすきかな盆用意



冬・
冬ざるる受信トレイの中に墓標
布団陽に入れる17回忌の家
この星の局地に雨や大雪や
外套のポケットに黒き砂ねむる
酉の市セックスもする友とゐて
冬館 猫われの皮膚破りたり
年の暮れまた合おうよと言ふ練習
パンプスの履き古したまま聖夜かな
神代より存るかのごとき布団かな
君の街へ通り雨ゆき星月夜
林檎煮てあしたは優しきうた歌ふ
遅刻魔がゆらりとあらはる冬日
湯豆腐や投ぐる言葉を研いでをり
冬野越へ電球替へにくるけもの



新春・
散髪を拒む老母の春着かな
元日の牛丼われの咀嚼音
初明かりどこをふりむいても異郷
初凪や死につづけてゐるJFK
隣家より痰を切る音賀状書く
事務始め星占いを読んでをり
春の朝父継がぬわれの定期券


春・
日々忌日やり過ごしてなほかの子の忌
たんぽぽや不美人として生を享く
春昼に地球抱くごと臥してをり
暮の春みぐるしいほど猫愛でる
北の丸F3.5の風光る
人波のひいて日比谷の花冷える
うつらうつらの窓に見切れる雪柳
靖国祭夢のおはりの雨の音


夏・
首の皺に届かぬ光のある5月
空のとりかご吊したまま梅雨明ける
豆飯の静かに冷える口喧嘩
コースターの紫陽花ふやけてゆくを見つ
継母の微笑みやさしソーダ
甲状腺の腫れたしかめる薄暑かな
大声で叫ぶ名が欲し祇園会に
肌のうへに肌色を塗り不死男の忌(7/25)
絶望もまたうつろ哉氷水
終戦日きみとベッドの泥となり
割り箸でこじあけてをり夜の秋
蝉しぐれ悲劇はテレビのなかにだけ
自らの影を追いつつラムネかな
広場舞ふ仮面ライダー夏の果