茶色ブルー

今日も、まともに気に入ったのが撮れませんでした。
反省しています。

広尾にて。エディンバラクリスタルのグラスで
お酒を飲んでいる男女。
女性は30前後、話を聞いている男性は40代?

「それで結局、あたし彼と寝たんだけど。
≪僕は、不良なんだよ、大丈夫?≫って言われた」
――うん。
「不良とか、それもどうでもいいんだよね。
惚れはしないから大丈夫だと思ったけど、
自分のこと不良って言う人ってなんか...」
−−そうか。
「うん。≪僕は、すごくまじめなんだよ≫って
いってくれたほうが深入りしないように気をつけるんだけどね」
――ふーん。
「彼、ハンカチ持ってたんだよね。
綺麗にプレスしてあって。
色は男性が持つような茶色とかブルーなんだけど。
多分、一緒に暮らしてる女の人がいるんだろうなと思った」
――何だか不思議な観察眼だね。
これからセックスするとなった時に、逆に冷静になっている感じもある。
鋭くて優しくて、軽蔑と同情が共存してる感じ。
「そうかな」
――君の性欲って何なんだろう。
僕の場合、初めての相手とセックスする時には、
未知のものへの意欲みたいなものがあるけれど、
君の場合、何だか既知の事柄の確認みたいな印象を受ける。
人間観察のスキルを磨いているみたいな感じ。
「そう?」


とても静かに話をしていたふたりの声を拾うために飲みながら集中した。
後日、この話を友人したときに、
「彼らの関係はいったい何なのかしらね?元彼と元カノとかかな?」
とふといったら、
「セフレじゃないの?」と、友人は即答した。

そうだろうか?